本園は、創立者・奥田健次が設立趣意書に記した理念に基づき、「親子ともに よい育ち」を教育目標(根本理念)と定めます。
"よい育ち"とは、大人がただ傍観しているだけで子どもが勝手に実現していくようなものではなく、十分な手間や時間をかけて丁寧な関わりから生まれ育っていくものであると考えます。たとえば、「いじめ」の問題についても、もし「仲間はずれ」をどのように解決に導くか考えれば、そのためには仲間から外したいと考えてしまう子どもに強制的にそれを禁じるだけならば、大人が関わる時間的には比較的短いもので済むでしょう。しかし、「仲間はずれ」をされた相手の気持ちを理解させるためには相当な時間を費やすことになるでしょうし、なんとか一緒に楽しく過ごす方法を提供するには、子ども集団を相手にさらに相当な時間を費やすことになります。また、こうした仲間関係における育ちについても保護者に関わっていただくために、本園の教職員の取るべき姿勢は一貫したものでなければなりません。これらの教育を実現するために、本園では2つの環境の利点を活かします。
1つ目は、自然にあふれる西軽井沢の土地において、豊かな四季の変化と園内の自然環境に触れることで、自然の恵みを感じ取ることができます。本園の大きな敷地を利用して、自然との触れあいを重視し、農業体験や作業体験などの遊びや活動を通して、子どもの豊かな育ちを目指します。
2つ目は、人的環境です。本園では、創立者・奥田健次の専門学問領域である『行動分析学』を、教育目標を実現するための方法の一つとしています。すべての行動は自発的に行われることが尊重されますが、そのことは同時に、選択した行動の結果を、行動した本人が受けるということも意味します。すなわち、望ましい行動を選択した場合にはそれに伴って集団から評価され、望ましくない行動を選択した場合はそれなりに自然な結果と結びつけていきます。
さらに、発達につまずきのある子どもへの個別支援についても、行動分析学による貢献の可能性が世界的にも認められています。
これらを実現するためには、教職員には高い知識と技能が求められるため、相当な園内研修が必要となります。教職員だけでなく、保護者の皆様にも理解していただく必要があります。教職員による連絡会、全体会議、さらには保護者研修会を定期的に開催します。
このように、本園では子どもへの教育のために、教職員と保護者などの大人がどのように子どもの発達を理解し、理解だけにとどまらず望ましい行動を促していくかの責任を負うことになります。
したがって、本園では教職員自身が常に学ぶ姿勢を持ち続け、なおかつ保護者にもよりよい子育てを学ぶ姿勢を求め、大人と子どもが共に成長することを大切にしています。 (長野県への設置申請書より一部抜粋)
奥田 健次